かんたんで複雑な、ウェブサービスの作り方を紐解くブログ

ウェブサービスのリニューアル まず何から考える?

Management
2021/07/11

ウェブサービスを作るには2つの方法があります。一つは「完全に新しいものを作る」という方法です。新しくデザインを用意し、ウェブサービスを稼働させるためのサーバーや、データを保存しておくためのデータベースなど、ウェブサイト・システム全体を一から用意する方法です。 もう一つは、今すでにあるサービスを流用して、それらを作り直していく方法です。例えば「ブログの記事をすでにたくさん持っている」とか「サービスユーザーの個人情報を保存している」などの場合は、今あるものを流用しつつ、リニューアルを行っていくことが必要になります。 現在では一つもウェブサイトを持っていない企業は少ないため、多くの場合「今あるウェブサービスを流用する」ということが多くなっています。今回はそんな「ウェブサービスのリニューアル」の状況に至ったときに、最初にどんなことを考えるべきかをまとめていきます。

リニューアル目的を明確化する

当たり前のようで抜け落ちがちなのが、この「リニューアル目的の明確化」です。自分もたくさんのウェブサービスのリニューアルに関わってきましたが、その半分くらいは「作ってから時間が経過し、古くなったから」などの理由によるものでした。 ただ、これでは形だけのリニューアルとなってしまいます。 リニューアルを行うのであれば、「目的」がまず必要になります。では、その目的とはどういったものになるか。パターンとしては、以下の3つが主流となります。 【1】新しいサービス情報を提供するため 企業が提供するサービス情報は、急速に変化していきます。最初はちょっとウェブサイトに調整を加えるだけで新しい情報を提供できても、何年も同じ状況が継続されれば、適切な情報提供を行うために、抜本的にウェブサイトの構造を変化させる必要が発生します。 そのような状況下に陥った時は、すべてのページを含むウェブサービス全体を再度見直し、新しく提供したいサービス情報に合わせて、ウェブサイトの構造全体にリニューアルを加えていきます。 【2】新しい機能を追加するため 既存のウェブサイトを運営している中で、ユーザーのニーズに応じて新しく機能を改善する必要性が生まれてくることがあります。 例えば一つのブログサービスを運営していたとします。ただ、だんだんと閲覧ユーザー数が増えてきて、そのタイミングで有料会員しか読めない記事を用意したくなったとします。 その場合「会員登録を行ってもらい、限られたユーザーが有料記事を閲覧できるようにする機能」といった大掛かりな機能改修が必要となるため、リニューアルが必要となります。 【3】デザインを最新の形にアップデートするため スマートフォンの登場に加え、フラットデザイン、マテリアルデザインなど、ウェブサービスのデザインは数年で大きく様変わりしていきます。ユーザーはより新しいデザインに慣れていくこと、また先進性を売りにするサービスであれば変化に合わせてUI・デザインをリニューアルしていく必要が発生します。 これらも踏まえつつ、ウェブサービスをリニューアルする場合には、まず最初にその目的を明確化する必要があります。

リニューアル関わるシステムと人を洗い出す

リニューアルの目的が決まったら、まずはそれらに関わるシステムを洗い出すことがスタートになります。「ユーザーが見るウェブサイト」はもちろんですが、それに加えて「ウェブサイトのコンテンツを管理するCMS」「ウェブサイトから登録されるユーザーを管理するCRM」「獲得したユーザー情報を管理するセールスフォース」「マーケティングデータを管理するマーケティングオートメーション」「ユーザーとやり取りするチャット」など、目に見える部分に加えて、裏側に隠れているシステムも洗い出す必要があります。 そして関連するシステムが明らかになったら、次はそれらのシステムがどのように連携しているかを洗い出す必要があります。例えば「ウェブサイトから新規会員登録が行われると、ユーザー情報がCRMに保存される」と同時に「登録された情報がメールとして通知される」などです。 そしてこれら情報をしっかりと把握するために必要となるのが「業務フロー」です。システム観点からだけで見てしまうと、実際に関わっている運用担当者の業務が抜け落ちて、ユーザーにとって良いウェブサイトになったとしても、それらを担当者が運用することができなくなってしまいます。 だからこそ、サービス全体として一般ユーザーにどのような価値を提供するのか、そしてそのウェブサービスを運用する担当者にとってシステムが使いやすいものであるかの両観点から、必要なシステムとその連携内容を洗い出す必要があります。

リニューアル後のウェブサイトの全体像をまとめる

関連するシステムが見え、そして実際にウェブサービスに関わる業務フローや人が見えてきたら、それらを元に具体的なリニューアル後のウェブサイトの全体像を描いていきます。 ウェブサイトの全体像を描くときに大事なのは「ユーザーがそのサイトをどのようなフローで利用するか?」をまず考えることです。例えばブログサイトであれば「1つの記事を読む」→「類似する記事を読む」→「会員登録する」→「有料記事を読む」などのユーザーフローをたどります。 それらのフローを踏まえて、各フローに必要なページを用意していきます。例えば「1つの記事を読む」フローを満たすには、記事を登録するページと、記事を表示するページ、記事を編集するページ、記事を削除するページ、記事を表示するページなどが必要になります。 ここでも、ページを見る一般ユーザーの観点に加えて、ページを作成する運用担当者の両方の観点からページを洗い出す必要があります。 このように必要なページの全体像を描いていくと、どのページがリニューアル後も必要で、どのページが必要でないか、また新しく必要となるページがどこになるかなど、リニューアルするウェブサイトの全体像が見えてくるようになります。

最後に感想として

いかがだったでしょうか。やはりリニューアルでも新しいウェブサービスを作るのと同様に「目的」からスタートします。 そしてその上で「システム観点」「ユーザー観点」「運用担当者の観点」の複数の観点から影響する範囲を洗い出し、誰にプロジェクトに関わってもらう必要があるかを導き出す必要があります。 そしてその上で「どんなウェブサイトにしたいか?」を考える必要があります。けっこうたくさんのリニューアルプロジェクトでは「どんなウェブサイトにしたいか?」からスタートしてしまっているパターンが多いですが、やはり「ウェブサービスの目的と影響範囲」を割り出した上で、作るべきウェブサイトを考えていく、というステップが重要になります。 読んでくれた方、ありがとうございます。