たった1人でも資金調達できるICOトークンって何?

たった1人でも資金調達できるICOトークンって何?

本のまとめ

▼読んだ本は?
■世界は逆転する! 仮想通貨サービス・ICOで世界を変える

■ ロジャー・バーさん, 兼元謙任さん, 松田元さん

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▼トークンって何?
■ブロックチェーン技術を利用し発行される「仮想通貨=トークン」のこと。以下2タイプがある

【1】カレンシータイプ
└上限が決まっておらず、無限に発行できるタイプ
└一般的にいわれる「仮想通貨」はこちらを指す
└特定の発行者やプロジェクトに紐付けられていない
└取引記録をブロックチェーンに記録していく「マイニング」により報酬が支払われる
└ビットコインやイーサリアムがこの代表格
└こちらのカレンシータイプをベースとして、その他のアセットタイプの通貨がやり取りされる

【2】アセットタイプ
└発行するトークンの上限量が予め決まっていて、発行者がコントロールできるタイプ
└特定の発行者やプロジェクトに紐付けられているタイプ
└アセットタイプトークンのICOでの売買はプロジェクトの支持そのものを示す
└ビットコインなどカレンシー型をベースとして作られるため、ビットコインの相場が下落するとこっちも下がる

▼仮想通貨の背後にあるブロックチェーン技術って何?
■ハッシュ関数を利用することでトークンの過去の全ての取引記録をランダムな文字列に変換し、デジタルデータの編集を事実上不可能にする技術
■トークンのみではなく契約書/保険証書/会計帳簿/不動産登記/裁判証拠などをブロックチェーン上に記録すれば、同じく改ざんできない
■ビットコインでもブロックチェーン技術が導入されており、2009年から誰の口座から誰の口座にビットコインが渡ったかその全てが記録されている
■例えば今後会社で過去に使われた経費もブロックチェーンに記録し、AI等によって過去記録を分析できるようになれば、人の手を介さず不正なく会社の経費処理等が行われる
▼ICO(イニシャル・コイン・オファリング)とは?
■IPO(新規株式公開)にならい、別名「新規仮想通貨公開」と呼ばれる
■資金調達をしたい企業/事業プロジェクト/個人が独自のトークンを発行・販売し資金調達を行う手段のこと
■注目を集めたトークンは仮想通貨の取引所で取扱が開始されることがあり、取引所にトークンが「上場」すると価値が高まることが多い
■ICOを通じた資金調達の世界総額は「2015年:約46億8000万円」「2017年(7月まで):1528億円」と急拡大している
▼ICOを行うには?
【1】ホワイトペーパー(白書)の作成
└株式で言う「投資目論見書」のようなもの。プロジェクト内容/関わる人物/世の中をどう変えたいか/資金使途の内訳/なぜ仮想通貨で資金調達したいかといった内容を盛り込む

【2】協力者の確保
└ICOの投資家コミュニティが存在するため、そのコミュニティに対して協力を募る

【3】プレトークン発行
└事前にトークンを一部発行し、ICOトークンに関する先行予約販売を行う。1トークンが仮想通貨建てでいくらとなるかや、どれだけの数量を発行するのかなどを決める。無限発行も可能だが、ICO価格の乱高下が起きないよう、トークン発行枚数を管理できる準備を整えておく必要がある

【4】トークン発行
└正式にトークンを発行する

【5】仮想通貨取引所での売買開始
└ビットフライヤー/コインチェック等の取引所を介し、実際に発行したトークンの売買を開始

▼スマートコントラクトとは?
■トークンをやり取りする際に、そのやり取り記録と執行を自動で機械的に行う機能のこと
■例えばICOで仮に資金調達目標額を達成できなかった場合、出資を全額返金するなどの取引執行の自動化も可能
■イーサリアムやLIsk、NEO、NEMなどのトークンもスマートコントラクト機能を持っている
■ビットコイン自体はスマートコントラクト機能を持っていないが、「サイドチェーン」という信頼できる取引所を通じた送金なら無条件に承認する機能を保持
▼ICO格付け会社による審査内容の中身は?
■ブロックチェーンで仮想通貨を作れる技術者がいるか?
■ブロックチェーンを用いた独自技術(改ざん防止/スマートコントラクトなど)を使っているか?
■創業者の身元がはっきりしているか?
■身元がわかっている人物が出資しているか?
▼ICOとIPOの違いは?
■IPO
└「株式」を発行する
└購入する場合、証券会社が実施する「抽選」に当たる必要がある
└発行者は、株主へ配当を分配する必要がある
└株主は、総会での発言権や議題提案権などを保持する
└上場の手続きを進める証券会社/公認会計士/監査法人/弁護士など専門家集団が必要

■ICO
└仮想通貨(トークン)を発行する
└購入する場合、誰でも購入できる
└発行者は、配当を配ることを法律で禁止されている
└会社支配権限をコイン購入者にわたす必要がない
└ICOで出資を受けた資金は「売上げ」として計上されるため、出資金が減少しても、大きな問題にならない
└配当が無いため、トークンの利用ユーザーを増やし売買が盛んに行われることにより、ICOの取引価格を高める必要がある
└全て過去の取引履歴がブロックチェーン上に残り、かつ世界中のコンピュータに分散管理されるため、マネーロンダリングなども事実上不可
└財務諸表/契約書/保険証書などもブロックチェーンを利用したスマートコントラクトと呼ばれる契約自動執行機能に置き換えることが可能

▼日本で有名なトークン取引所は?
■ビットフライヤー
└2017年にビットコイン取引高で世界一を達成
└ビットコインをはじめ「イーサリアム」「ライトコイン」「ビットコインキャッシュ」などの仮想通貨を扱っている
└2017年秋にアメリカに進出

■ザイフ
└ICOプラットフォーム「COMSA」を展開
└大阪にあるテックビューロ社が解説した取引所
└ビットコインの取引をすればするほどビットコインが増える「マイナス手数料」を導入しビットコインの普及に尽力
└Zaifトークンという独自通貨を発行している

■コインチェック
└匿名性の高い取引を実現する「モネロ」「ジーキッシュ」、ギャンプルを楽しむために開発された「オーガー」、Javascriptで組まれた「Lisk」などの仮想通貨を取り扱っている

▼成功しているアセット型トークンとは?
■ALIS
└ウェブ上に書かれた記事に対して、読者からの指示が集まればALISトークン(仮想通貨)での報酬を受け取れる新しい形のコンテンツプラットフォームを展開
└2017年9月ICOを実行したところ、4分で1億円を獲得

■AMPLE
└コスプレイヤーが自由に写真を投稿して交流するコスプレ専用SNSを展開
└AMPLEコインを発行し、グッズの購入やイベント参加の決済手段として利用できる形とした

■手ぶら観光協会
└荷物を預かったり運んだりすることを請け負う個人事業者と旅行者を結びつけるWEBサービスを展開
└「Teburaトークン」を発行し、ICOを実施。今後は海外でも外貨両替をすることなく荷物の配送や預かりができるようにするだろうといわれている

■REGA
└ブロックチェーン上に契約関係を書き込むことで保険会社が不要になり、加入者が互いに助け合う「互助会」のような形でICOを行った保険プラットフォーム
└「Crowd(群衆)」+「Insurance(保険)」を組み合わせ、「Crowdsurance」と呼ばれている
└これまで大手保険会社が間に入ることにより多額の手数料を含む保険料を必要としたが、今後最小限度の保険料のみでよくなる

■WowBit
└Q&Aサイトである「オウケイウェイヴ」にて利用できるトークン
└イーサリアムをベースとしている
└回答者に対して謝礼としてWowBitでの支払い等が可能

▼世界各国のトークンへの対応は?
■日本
・基本的には仮想通貨に寛容な国
・2017年4月に資金決済法が改正され、仮想通貨が法律上定義
・仮想通貨の取引業者が金融庁の登録を条件に認可される
・仮想通貨を取得する時に消費税を課さない(=事実上、商品ではなく通貨であることを認めた)
・2017年が仮想通貨元年とも呼ばれ、大手家電量販店での利用や、メガバンクが仮想通貨に乗り出すなどを行っている

■エストニア
・スカイプが生まれた国
・2007年ロシアからのサイバー攻撃により、政府やマスコミのWEBサイトが完全停止。結果、セキュリティを徹底強化
・「GuardTime」と呼ばれるスマートコントラクト型システムを開発
・「e-residency」と呼ばれる電子政府システムを通じて、外国人でもインターネットを介して銀行口座の作成や会社の商業登記が可能
・国家独自の仮想通貨である「エストコイン」を発行

思ったこと

ただのポイントとは違う「トークン=仮想通貨」について、ビットコインなどのいわゆる国が発行するお金のように使われるカレンシー型から、特定のプロジェクトや会社が資金を調達するために発行するアセット型のトークンまでをまとめて紹介してくれている本でした。

トークンや仮想通貨と聞くと、まずはビットコインと紐付けられがちですが、もっとも重要なのはトークンを支える技術であるブロックチェーン技術、そしてその技術を土台とするスマートコントラクトなどになるんだろうなと思います。

仮想通貨に絡む一般的なニュースだけ見ていると、マウントゴックスやNEMの資金流出など危険なもののような想像をしてしまいますが、あくまでそれらは取引所や通貨発行者のセキュリティが問題であり、根幹にあるブロックチェーン技術に基づいたセキュリティが破られたことは未だかつてありません。

ブロックチェーンは、ほんとに単純化すれば「【1】仮想通貨を送る人⇔受け取る人の間の取引記録という文字列を」「【2】ハッシュ関数を用いることでランダムな文字列に変換し」「【3】チェーンのように全部の文字列をつなげていく」というとってもシンプルな概念に基づいています。

どんなに新しいようにみえることでも、根っこまで遡れば、とってもシンプルな考えに基づいているんだなと思うと、なんかすごいっすね。そして、トークンをこれから個人でも発行できる時代になれば、信用を持つ個人がICOを通じて、莫大な資金を集め、面白いことをやっていく世の中になっていくんでしょうね。

そういう世界に、ぼくも加わりたいっす
ありがとうございました!

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