AIが集中して仕事を行うことで今後重要になる分散思考って?

AIが集中して仕事を行うことで今後重要になる分散思考って?

本のまとめ

▼読んだ本は?
■集中力はいらない (SB新書)
■by 森 博嗣さん
http://amzn.asia/d/6JyZBFn
▼集中思考と分散思考とは?
■集中思考
└数ある対象からひとつに絞り、長い時間をかけず短時間で何かを行うこと
└計算を行う必要があるため、ある程度緊張している状態が「集中思考」に向いている
└基本的には力がこもっている状態

■分散思考
└ひとつのものごとにのめり込みすぎず、あるものを見ていても常に別の視点や逆の立場から考えること
└自分の意見や感情に対して、すぐに反論を試みること
└多視点、半集中、非常識な状態で、とにかくありのままがなんなのかを観察すること
└リラックスしている状態が「分散思考」に向いている
└頭の中に複数の人がいて、それぞれが別の仕事をしているような状態
└学校の授業の科目が1時間毎に変わるのは、分散して学ぶほうが効率が良いから

■どちらの思考方法がより重要ということではなく「集中から分散」へと、頭を切り替え開放できる状況を持っていることが重要

▼集中思考を重要視しすぎるのはなぜ危険?
■集中していると、一部のデータにしかアクセスできなくなるから
■集中してできることはある程度マニュアル化できることであり、将来はAIに置き換わるものだから
■東北の震災があった時に森さんが「大変な災害があったが、日本の9割は問題ない」と外国人に向けてブロクを書いた所クレームが多かった。あのとき、全ての日本人が東北に集中しなければならなかったのだろうか?
▼分散思考から新しい「発想」を生み出す方法は?
【1】着眼:まずはあらゆるものに対し、きょろきょろと目を向けたうえでどこに注目するのかを決める
└別のことを考えていたり、あれもこれもと目移りしている時に発想しやすい
└ヒントはいつも、ちょっと離れたところにある

【2】発想
└なにものにもこだわらず、自由に素直に考えて何かを思いついていく
└あれもこれも失敗して、たまたま別のことをはじめた時に発想しやすい
└クリエイターが旅行を好むのは、創作を行う時にリラックスして集中しないことで発想が生まれるから
└大きな発想があると、それで5年は食べていける

▼分散をベースにした森さんの工作のやり方は?
【1】1つの工程は30分くらいにとどめる
【2】飽きたら別の工程に移ったり、できる限り違う作業を次に行う
【3】例えばペンキ塗りから金属加工、その後庭に出てスコップで土を掘る

■1つのことに集中できないことを前提にして、マルチタスクで工作を行っていく

▼抽象的な記憶と具体的な記憶のちがいは?
■具体的な記憶
└「名前」「固有名詞」などが具体的な記憶
└一般的に多数派としては「名前」や「固有名詞」で記憶する人のほうが多いと考えられる
└物体そのものを示す「集中」した記憶であり、覚える量が少なくてもすむため合理的な記憶
└現場で作業している人に「どんな工夫をしているの?」と尋ねれば「このネジを先にしめるようにしています」と具体的に答える

■抽象的な記憶
└画像やイメージで状況を曖昧に記憶すること
└固有名詞での記憶と比べると、大量に記憶領域を必要とする
└森さんの場合、教科書にのっている歴史上の具体的な人物名は覚えられないが「漢字で5文字」「教科書の左下にのっていた」など映像としては覚えられる
└具体的に覚えないことが、結果として思い込まず、決めつけず、抽象的に考える思考につながる
└工場長に「どんな工夫をしているの?」と尋ねれば「それぞれの工夫を継承し、設計工程に転嫁できるよう工夫している」と抽象的に答える

■具体的な内容より、抽象的な内容のほうがより本質をついているといえる

▼これから分散思考が重要になるのはなぜ?
■そもそも、人はどれだけ集中していても必ずミスを犯し、そんな人のミスを補うために機械が生まれた
■AIが人に変わって集中して多くの仕事をこなすようになるため、人がひとつの物事に集中する必要がなくなり、今よりも自由になるから
■時代の流れとして、ひとつのことに集中するのではなく、たくさんのことを楽しむことが許される時代に変わってきているから
■そもそも、テーマややりたいことが変わっていく状況が普通だし、それで良いから
▼でも集中できない/やる気がおきない時にはどうしたらいい?
■やる価値があるか?成功するか?などシミュレーションをしすぎない
■どんなことであれ、やればやっただけの喜びがあるのだから、やらなければならない環境を先につくってしまい、言い訳ができない状況に自分を追い込む
■例えば工作を始めるときには、部屋の整理や道具の準備を、小説を書き始める時にはフォルダやタイトル、目次、登場人物を決めてしまう
■「今日これだけやろう」と決めてしまうこと、それを続けているうちにいつかその仕事量に自分自身が感動して、自分を認められるようになる
■やる気やモチベーションより大事なのは、常に体調を整えておくこと
■リラックスして考え方を柔軟にすること、行動する時には毎日コンスタントに少しずつ進めること
■少しずついろいろやることを「習慣」にしてしまうこと
▼本気で「思考する」ってどういうこと?
■「考える」といってもほとんどの場合考えてはいなく、世間の常識とか知識として持っていたものにただ照らし合わせただけ
■例えば青信号を見て渡るのは考えたのではなく、周りに合わせて反応しただけ
■考えることはとてもエネルギーがいり、人がやりたがらないため、考えることは成功に結びつきやすく、自由を獲得できる
■考えるのは直線的なことではなく、試行錯誤を繰り返したり、引き返したり、試してみたりすること
■問題は与えられるものではなく、自分で自ら生み出すもの
■その問題の答えは世界中の誰も知らないから、自分で解き方を見つけていくしかない
■言葉は意図的に歪められるため、数字をベースにして物事を観察して考えることが必要
▼「思考する」リーダーってどんな人?
■新しい問題をチームに対して与えられる人
■問題を見つけることは「さあ、これで何を考えればよいかわかった」という状況を作り出すこと
■意見を曲げない人ではなく、その場その場でできる手をうてる人
■理想の手ではなく、現実の手をうてる人

思ったこと

何かひとつのことに集中する職人のようなひとや考え方が重要視される日本において、AIがより発展していく中で「集中して行う仕事」がAIや機械にとって変わられることで、今後次から次へと新しい思考へと移り変わる「分散思考」をもつことがいかに重要かを示してくれている本でした。

集中することが悪いわけではなく、「集中」という名の下みんなが同じことを考えてしまうことで、結果的に狭い考え方を持ってしまったり、同じことを繰り返し考えてしまうことで思考停止状態に陥ることを避けようぜと言ってくれているようにも感じました。

例えば小さな子どもを見ていると、こどもってこの「集中思考」から「分散思考」への切り替えが異常にうまいように思えます。さっきまで周りの声が聞こえないほどレゴブロックを作ることに集中していたかと思えば、その次の瞬間には作り上げたレゴブロックのことを忘れ去って遊び回り、結果的に自分で作り上げたレゴを壊して泣いていたり。。だから、大人が絶対に「発想」できないような新しいことを突然言ったりするのかもしれません。

ディレクターとして仕事をしている中で、自分は「エンジニア」でもなく「デザイナー」でもなく一体何をやる役割の人間なのだろうか?とか、ひとつの物事に集中できないことに引け目を感じることもありましたが、この本を通して「分散して考えたり、何かをやったりする」というのが実は重要なんだよという別の視点を知れたことは、自分のやっていることを少し肯定できるところもあって、なんだかほっとしました。

名前が覚えられないみなさん!この本で自分を肯定しようぜ!
ありがとうございました!

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