会話チャットだけで完結する新しい世界とは?

会話チャットだけで完結する新しい世界とは?

本のまとめ

▼読んだ本は?
チャットボット AIとロボットの進化が変革する未来
by 金城 辰一郎さん
http://amzn.asia/d/7pk3YXW
▼チャットボットとは?
■オンライン上での人との会話(チャット)を、人の変わりにソフトウェアが応答(チャット)するもの
■ボットとは「ロボット」の略で、「人の介在なしに何かを命令すると、その命令を遂行してくれるもの」であり自動化がその本質にある
■やり取りは基本的に「テキスト」か「音声」のみで行われる
■元々は、あらかじめ決めた質問に対してデータベース内からマッチングする回答を返す「人工無能」としてスタートしたが、その後人工知能の導入が進み、自然な会話による商品やニュースのレコメンドなどに発展
■発展の根幹技術には「特徴を抽出し意味付けを行うディープラーニング」と「圧倒的な情報量を元に予測を行う機械学習」の2つが存在

▼チャットボットのメリデメとは?
■メリット
└FacebookメッセンジャーやLINEでも使われているスレッド型のUIを利用し、サービスごとのオリジナルUIが不要
└デザイナーが不要となり、会話のベースとなる保有情報やコンテンツさえあれば、短期間で開発ができる
└会話データの収集/蓄積が可能
└プッシュ通知により、ブランド側からメッセージを送付し、ユーザーと会話を行うことが可能

■デメリット
└スムーズな会話をできるには至っておらず、選択式、はじめはボットだが回答に詰まると人に変わるなど限定的な活用が多い
└「引っ越し」「引越し」「引越」など細かな表記の揺れに対応することが難しい

▼チャットボットの評価指標とは?
■ユーザーによるボットの追加数
■ボットの「リピート率」
■ボットの「エンゲージメントタイム(利用時間)」

▼チャットボットの種類は?
【1】アラート系ボット
└最新のニュース情報や天気を知らせるボット
└メールマガジンの代替手段として増えていくであろうボットと言われている
└基本的には利用時間が短く、リピート率が高い
└CNN:Facebookメッセンジャー上で動き毎日22時ごろ記事を紹介するニュースボットあり
└Techcrunch:ITメディアとしてFacebookメッセンジャー上でニュース配信してくれるボットあり

【2】検索系ボット
└汎用性のある検索ではなく、特定のニッチな情報を検索する際に有効なボット
└ディズニーランド:乗り物の待ち時間を教えてくれるボットあり
└HealthTap:過去データ等を参照し「Doctors answered:~」の形で医療情報を教えてくれるボットあり
└Vida/FiNC:日々の食事や運動状況を伝えることで、専門性を持つコーチからアドバイスがもらえるボットあり

【3】カスタマーサポート系ボット
└顧客情報と連携しカスタマーサポート対応を代替するボット
└ヤマト運輸:LINE上で動作し、荷物の受け取り日時や場所の変更をやり取りできるボットあり
└アスクル/マナミさん:問い合わせ内容に選択式/フリーチャット式の両方から答えてくれるボットあり

【4】予約/購入系ボット
└ユーザーの要望にあった商品をレコメンドし、予約/購入等ができるボット
└過去の購入/行動履歴に応じて適切なレコメンドをすることが可能
└基本的には利用時間が短く、リピート率が低い
└ドミノ・ピザ:LINEで簡単にピザを注文できるボットあり
└1-1800Flowers/Everlane:Facebookメッセンジャーで希望を伝えると、いくつかおすすめの商品を紹介してくれるボットあり
└Booking.com:宿泊先に関する質問に、ホテル自身が答えてくれるチャットボットを用意
└Operator:チャットでの会話を通じてほしい商品が購入できるEC型チャットサービスあり
└relux:エリア/チェックイン日/宿泊日数等を入力していくことにより、ユーザーの希望に沿った宿を探すボット

【5】ゲームポット
└チャットの質問に答えていくと会話ストーリーが変わっていき、選択によって結末が変わるロールプレイングゲームや、国旗の画像から国名を答えていくクイズ型ゲームなどあり

▼ボットを機能面から2つのタイプに分けると?
【1】ユニバーサルボット
└Facebookの人工アシスタント「M」、Apple「Siri」など汎用的に人の質問に応えるアシスタントボット
└今後、プラットフォームとなりサブボットを制御する存在となる

【2】サブボット
└買い物やニュースなど、一機能に特化したボット

▼ボットを会話方法から2つのタイプに分けると?
【1】音声による会話
└「Amazon Echo」「Siri」「Viv」など音声をベースとして会話を行うボット

【2】テキストによる会話
└「Facebookメッセンジャー」「LINE」「Slack」などテキストをベースとして会話を行うボット

▼チャットボットを開発する方法は?
【1】LINE/Facebook/Slackなど既存のメッセージングプラットフォーム上で開発する
└利用する際に改めてサービスにログインする必要がない
└新規にアプリをインストールしてもらう必要がない
└メッセージングアプリが持つ既存のユーザーとつながることができる
└今後プラットフォームが提供する決済サービスをアプリ内で利用することができる可能性が高い

【2】WEBサイト上にタグを埋め込むなどで動作するWEB接客ツールを利用する
└「KARTE」「Flipdesk」などの会社が提供しているサービスあり
└来訪履歴/サイト上での行動属性/過去の来店情報などから、自動でその人にあったメッセージを表示するツール
└自動対応できない場合や、訪問者が一定時間を超えて滞在しているときには、スムーズに有人対応に切り替え可能

【3】ボット作成サービスを利用する
└「Botsify」「chatfuel」「Meya」「ユーザーローカル人工知能ボット」などプログラミング不要でボット作成が可能なサービスあり

【4】フレームワークを利用して作成する
└Facebook/LINE/Microsoftなどが提供しているチャットボット開発のためのフレームワークやAPIを利用して開発
└wit.ai(Facebook)/コルタナ(Microsoft)など人工知能による機械学習が利用可能なフレームワークもあり

▼メッセージングプラットフォーム/フレームワークにはどんなものがある?
【1】Facebookメッセンジャー
└10億人以上の豊富なユーザーを持つ
└画像/テキスト/ボタンが一体となったカード形式のメッセージをカルーセル型で配信できる機能あり
└返信内容の選択を10個まで用意できる機能あり
└「M」と呼ばれる人工知能ボットを持ち、天気予報/交通情報等を聞くことが可能

【2】LINE
└LINE BOT APIというAPIを提供し動画/音声/位置情報の利用、画像へのリンク設置等が可能
└Chat AI Pluginと呼ばれる会話エンジンの利用が可能
└「LINE Beacon」機能を利用すると、店内に設置されたビーコンから情報の取得が可能

【3】Slack
└毎日270万人以上が利用するプラットフォーム
└Slack APIを提供しており、Googleカレンダーと連携してスケジュール通知、コマンドによるWEBサーバーの負荷通知などの各種インテグレーションが可能
└「お腹空いた」と入力すると、ランダムでオフィス近くの食べログ店舗を表示
└「@」をチャットの先頭に付与することで、ボットを呼び出すことも可能
└birdyボットを利用し、レシート写真をアップすると、Googleのスプレッドシートに表でまとめることが可能
└Statsボットを利用し、アクセス解析サービスからサイトアクセス状況をまとめて表示できるボットあり

【4】Kik
└Kik APIを提供
└米国の若者の4割が利用していると言われるメッセージングアプリ
└bot shopと呼ばれるボットストアを用意

【5】Microsoft
└Microsoft Bot Frameworkと呼ばれるFacebookメッセンジャー/Slack/Kikなど他プラットフォーム上で動くボット開発用のAPIを用意
└パーソナルアシスタント「Cortana」を保持しており、「Cortanaインテリジェンススイート」と呼ばれる機能の一部を外部から利用可能。具体的には
「1.JSやC#により簡単にボットを開発できるボットフレームワーク」
「2.Facebookメッセンジャー/LINE等と接続できるBot Connector」
「3.顔認識を行うフェイスAPI/音声をテキストに変換するスピーチAPI/画像検索が可能な画像検索API等のコグニティブAPI群」
の3つが利用可能

【6】Repl-AI
└ドコモが提供するチャットボット用に公開しているAPI
└「しゃべってコンシェル」のようなサービスを簡単に作成可能

【7】wit.ai
└Facebookが提供し「音声認識」「自然言語解析」を可能にするフレームワーク
└数多くのプログラミング言語やOSに対応しており、アプリ/IoTデバイス/ロボットなどで利用可能

【8】Cloud Machine Learning
└Google Nowの提案機能、Google Photoの画像分類機能、Googleの翻訳機能等を活用できる

【9】Alchemy API
└IBMが提供し、自然言語解析、画像の認識、テキスト翻訳、タグ抽出、写真の分類や要素取得などが可能
└指定キーワードの入手を取得するニュースAPI
└人の顔から年齢や性別を特定する顔認識API

【10】ユーザーベース:人工知能API
└全自動会話API:過去の対話内容などから、自然な受け答えや雑談を可能とするAPI
└キャラクター会話API:猫っぽい/犬っぽい/ロボット風などキャラクターをつけた会話を可能にするAPI
└形態素解析API:文章を単語に分解して解析するためのAPI

▼アプリストアならぬ「ボットストア」とは?
【1】Kikアプリの提供するボットストア
└Kikアプリ内にストアがあり、導線をしっかりと設けてボットストアへ誘導
└50程度のボットのみしかなく、AppleのApp storeのように厳しい選定を行う

【2】Telegramアプリの提供するボットストア
└Kikアプリ内にストアがあり、導線をしっかりと設けてボットストアへ誘導
└2,700以上のボットを提供、Google Playのようにゆるい審査基準

思ったこと

人工無能と呼ばれるパターンでしか会話をできないチャットボットから、ディープラーニングと機械学習を取り入れ、人と同じように雑談し、おすすめの商品を人の過去の動き等も踏まえつつレコメンドできる人工知能としてのチャットボットへと発展しつつある、チャットシステムに関してまとめられた本でした。

SiriやAlexaなど音声認識によるチャットボットも拡大してきている中、音声や会話のみで人の望みに答えられるチャットボットであれば、きれいなデザインやUIに時間をかけることもなく、ただ会話を重ねるだけでものを買ったり、ニュースを知ったり、宿の予約をしたりと無限の可能性を秘めているともいえます。

とはいえ、現在のチャットボットの限界もあり、人工知能を取り込んだAPIが各社から多数提供されているとはいえ、まだまだ人と変わらないようにスムーズに受け答えするには背後にある会話のデータ量も、アルゴリズムの発展も足りていないんだろうなという現実もあるようです。

でも、未来は会話でほとんどすべてが完結できる時代になるんだろうな、そしてそんな時代が来た時に、絶対にボットでは対応できない、人だからこそできることってどんなものなんだろうと、そういう力を今から磨いておきたいなと思わせられる内容でした。

ありがとうございました!

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