アリストテレスが体系化した悲劇のストーリーを生み出すためのロジックとは?

アリストテレスが体系化した悲劇のストーリーを生み出すためのロジックとは?

人がある過ちをきっかけに、苦難の状況へと変わってしまう「悲劇」を作り上げるストーリーや、その構成要素として何が必要かを、分解してまとめあげた本でした。

はるか昔に描かれた本ではあるけれど、人の性格そのものじゃなくその過ちという行為に焦点を当てること、ストーリーとして逆転、認知、苦難の順序立てたストーリー展開を描くべきことなど、今現代ですら、ほとんど同じロジックが使われている感じがしました。

そして、悲劇を描くためには家族を題材にするのが一番多いという所に、人や社会を構成する基本要素って、どれだけ時が流れようと、どれだけ離れた場所の人でも、そんな変わんないのかなと思うと、なんかちょっとふわっとしますね。

ありがとうございました!

本のまとめ

▼読んだ本は?

■アリストテレース詩学/ホラーティウス詩論
■ アリストテレース (著), ホラーティウス (著), 松本 仁助 (翻訳), 岡 道男 (翻訳)

▼喜劇と悲劇のちがいは?

■喜劇
└劣っている人を、モデルにして描かれる劇

■悲劇
└優れた人が、その性格じゃなく、行った行為によってあわれみの対象に変わる劇
└その人そのものじゃなく「行為」を再現するもの

▼悲劇ってなぜ存在する?

【1】人は、再現されたものを見ることを喜ぶ
【2】だから「行為を真似して再現する悲劇」はみんなが喜ぶから

▼「行為の再現」ってどうやって行う?

【1】過去か現在に起こった出来事を再現する
【2】人が一般的に、考えたり感じる傾向が強いモノゴトを再現する
【3】人が一般的に、そうであるべきだと考えるモノゴトを再現する

▼悲劇の構成要素ってなに?

【1】筋(ストーリー)
【2】性格(キャラクター)
【3】語法(セリフや言葉の使い方)
【4】思想(劇の中で表される考え方)
【5】視覚的装飾(劇の中で使われる舞台)
【6】歌曲(劇の中で使われる音楽)

▼「筋」作りで大事なことは?

【1】「初め、中間、終わり」の構成があること
【2】人が記憶できる長さであること
【3】逆転、認知、苦難があること

▼「逆転、認知、苦難」の流れの具体例って?

【1】逆転
└優れた人が存在するが、あるいざこざをきっかけに、友人を殺すという過ちを犯してしまう
└優れた人から、過ちを犯した人への逆転が発生する

【2】認知
└そしたら、殺した友人が「実の弟だった」という認知が発生する

【3】苦難
└実の弟を殺してしまったという、苦難の状況が描かれる
└この苦難を感じ取り、観客はおそれやあわれみを感じる

※この流れを再現するために、悲劇では「家族」を大事にすることが多い

▼悲劇の中で使われる言葉の種類は?

【1】日常語
【2】稀語(他の国や地域で使われる言葉)
【3】比喩
【4】比例表現(モノゴトAとB、モノゴトCとDなど複数を比較する言葉)
【5】新造語(独自に作り上げた言葉)
【6】短縮語(元の言葉より、短縮して表現される言葉)
【7】延長語(元の言葉より、長くして表現される言葉)

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