電力自由化と激変する 未来の電力サービスとは?

電力自由化と激変する 未来の電力サービスとは?

本のまとめ

▼読んだ本は?
■3時間でわかるこれからの電力業界 ―マーケティング編―5つのトレンドワードで見る電力ビジネスの未来
■江田健二さん, 一般社団法人エネルギー情報センター
http://amzn.asia/d/aMG0JyZ
▼電力の3つのタイプって?
■電圧の高低で、電力は3つのタイプに分かれる

【1】特別高圧
└大規模工場やデパート、オフィスビル、病院など大型施設向けの電力

【2】高圧
└中小規模の工場やオフィス向けの電力

【3】低圧
└一般家庭や個人商店向けの電力

▼電力業界の3つの業務は?
【1】発電
【2】送電
【3】売電
▼発電から需要家(電力を利用する人)に届くまでの流れは?
【1】まず、水力発電所や火力発電所で、電気が発電される
【2】発電された電気は、送電線を通って需要家に送られる
【3】電流が送電線を流れると「ジュール熱」という熱が出て、電気をロスする
【4】でも、発電所から送り出す時、予め電圧を高くしておくと、失う電気が少なくなる
【5】そのため、まずは50万ボルトなどの高い電圧にして送電線から電気が送られる
【6】そして「超高圧変電所」「一次・二次変電所」「配電用変電所」を経て、徐々に電圧が下げられていく
【7】最終的に家庭や工場には「100ボルト~200ボルト」に下げられた電力が、売電される
▼電力自由化の流れって?
■電力自由化
└電力会社が「一般家庭や個人商店などすべての利用者に、電気を売ることができるようにする」流れ

【1】2000年3月
└特別高圧(契約電力が2000kW以上)の需要家のみに電力の売買を自由化

【2】2004年4月
└契約電力が500kW以上の需要家にも電力の売買を自由化

【3】2016年4月
└電力小売の全面自由化により、一般家庭を含めてすべての需要家が、電力会社や料金メニューを選べるようになった

【4】2020年
└発電業者と送電業者を分ける「送配電部門の法的分離」を実施予定

▼電力自由化による影響って?
■電力の市場規模は全体で「18兆円」くらい
■需要家の件数としては「約8,500万件」くらい
■そのうち、電力自由化により影響を受ける規模は「7.5~8兆円」
■電力自由化により新しく生まれた電力会社の数は、登録件数で「約350社」くらい
▼新たに電力業界に参入してきた企業って?
【1】自社のポイントシステム、自社サービスや製品との「セット販売」で利益を稼ぐために新規参入した企業
└ガス会社
└石油元売企業
└IT・通信系企業

【2】地域内の顧客を「囲い込む」ために新規参入した企業
└ケーブルテレビ会社
└地域のLPガス会社
└地域密着で展開するスーパーマーケット
└市区町村などの地方自治体

【3】エコや環境への取り組みなど、自社ブランド価値を高めるために新規参入した企業
└太陽光発電用の機材を販売する会社
└再生可能エネルギーの電力売買を行う会社

▼再生可能エネルギーへの国のサポートは?
■固定価格買取制度(FIT)
└「2012年7月1日」からスタートした国の制度
└太陽光発電などの再エネ発電の設置者は、通常より高い固定価格で発電した電気を売れる制度
└結果、再エネ発電の設置者は、安定した利益を得られる
└電気を買い取る電力会社は高い値段で買い取った後、その負担分を需要家全員から回収できるようになっている
▼電力を取引するいろんな方法って?
■JEPX
└電力の取引を行える、会員制の電力卸売市場

■ネガワット取引
└太陽光発電やIoTを利用して、節電した分の電力を売買する取引方法

▼電力ビジネスはITでどう変わる?
【1】スマートメーターの導入
└通信機能を持つメーターのこと
└電気の使用量を遠隔で検診できる
└30分ごとの使用量を計測できる

【2】エネルギーマネジメントの実現
└スマートメーターのデータに基づいて、家電製品を自動的に制御
└利用電力がピークのときに、節電を行う
└電力会社が、例えば節電してくれた需要家に対して報酬を支払うことを「デマンドレスポンス」という

思ったこと

地域ごとの電力会社により、ビジネスやサービス自体が明確に制御されていた電力業界に対して、徐々に段階を踏みながら最終的には一般家庭にまでサービスが開放されてきた、電力自由化を中心にまとめられた本でした。

電力も、通信事業とかも、もしかしたらITやネットワークとかもそうですが、インフラをきちんと整備して都会や田舎問わず誰もが平等に利用できるように、まずは国家とかが制約を設けつつ展開していくという流れは、最初は必要なことだったんだろうなとも思います。

でも、日本中で発電能力を保持し、そして送電するための送電線も十分に確保した今では、今度はがっつりと自由化することで適切な競争をもたらし、電力を利用する人たちに利益を与えようぜという流れは、めちゃいい流れなんだろうなと思いました。

でも、一企業として、AWSという世界中に広がるITインフラ基盤を作り上げてしまったAmazonとは、もはや一国の力に匹敵しちゃってますね。というか、それ以上か。

そして形のない電力に対して、スマートメーターなどを利用して、同様に形がなく目に見えないものを数値化できるIT技術とは、ビジネスという側面でもめちゃ相性がいいものなんでしょうね。

ありがとうございました!

関連する記事