企業データ統合のDMPを導入するだけじゃなく利用方法とは?

企業データ統合のDMPを導入するだけじゃなく利用方法とは?

本のまとめ

▼読んだ本は?
DMPのしくみとオーディエンスデータの活用(MarkeZine Digital First)CookieSync・名寄せ・セグメンテーション
福田 晃仁さん
http://amzn.asia/a3G1ZcS
▼オンライン広告業界に存在する3つのプレーヤーとは?
【1】広告主
└より詳細なターゲティングを行い、広告を出稿したい

【2】媒体主
└できるだけ高値で媒体メディアの広告枠を売りたい

【3】仲介業者(DSP/SSP)
└広告主の詳細なターゲティング要望に、豊富なオーディエンスデータを通じて答えたい

▼オンライン広告の進化の流れとは?
【1】純広
└媒体主が自身のメディアに広告枠を用意し、広告を提供する

【2】アドネットワーク
└複数のメディアを統合/管理し、複数メディアに対して広告出稿を可能とする

【3】アドエクスチェンジ
└複数のアドネットワークを統合/管理し、複数ネットワークに対して広告出稿を可能とする

【4】広告配信プラットフォーム
└広告主向けに出稿額や興味等に応じて出稿先メディアを最適化する「DSP」、媒体主向けにメディアに出稿される広告内容を最適化する「SSP」の2つのシステムを通じ、リアルタイムかつ自動で広告の入札/応札(RTB=リアルタイムビディング)が行われる

▼DMPとはそもそも何?
■複数の場所に分散したユーザーデータを統合し、施策に合わせてデータ抽出、活用するためのインフラ基盤

▼DMPにおける2つのタイプとは?
【1】データセラーDMP:仲介業者(DSP/SSP)が保持し、広告配信を最適化するためのDMP
└事業会社が広告や他メディアを通じてデータを借りてくる「アウトバウンドデータ」がメイン
└基本的には個人を特定するような属性情報/デモグラフィック情報は取得できず、訪問するサイト等から属性情報を推測する形

【2】プライベートDMP:広告主自身が保持し取得した顧客データを分析し、どのように顧客とコミュニケーションを取っていくかそのシナリオを作成するためのDMP
└事業会社が自社のメディアを通じて獲得できる「インバウンドデータ」がメイン
└会員登録等を行ってもらう時に、個人を特定できる属性情報/デモグラフィック情報を獲得することが可能

▼2タイプのDMPの導入順序として最適なのは?
【1】プライベートDMP製品の導入
【2】データセラーDMP製品の導入
▼DMPの基本性能とは?
■集約/名寄せ/分析:あるユーザーが複数のデータベースに異なるIDで登録されている時、1人のユーザーとしてデータをつなぎ合わせ、統合できる
※データベースにおいて「キーリレーション」「マッピング」と呼ばれるもの

【1】プライベートDMPの場合
└企業が持つWEBデータである「広告データ」「WEBログデータ」「CRMデータ」を統合する

【2】データセラーDMPの場合
└複数サイトにおける「サイトへの接触履歴データ」を統合し、「ターゲットオーディエンスデータ」として提供する

▼DMPのデータ統合に使われるcookie技術とは?
【1】ユーザーがサイト(サーバー)にアクセスすると、ユーザーのPCブラウザにCookieと呼ばれる小さなファイルが保存される

【2】Cookie自体に書き込まれているのは「暗号化された文字列」「暗号化されたID/パスワード」のみ

【3】CookieをPCブラウザ側で保持するユーザーが再度サイト(サーバー)を訪問すると、サイト(サーバー)側でCookie内の暗号化された文字列が複合され、何回目の訪問で、どのページを閲覧したかなどユーザーの行動ログとして確認できる

▼データセラーDMPのデータ統合に使われるCookieSync技術とは?
【1】あるユーザーXがサイトAに訪問した時、サイトA自身のcookie(1st party cookie)に加え、サイト内に埋め込まれたDSPタグのCookie(3rd party cookie)の2つが訪問ユーザーのブラウザに渡される

【2】データセラーDMPはサイトA自身のcookieとDSPのCookieをペアリングし、ユーザーXがサイトAに接触したことをDMP内部に記録しておく

【3】ユーザーXがその後サイトBを訪問した際に、サイトB自身のcookieに加え、サイト内に埋め込まれたSSPタグのcookieの2つが訪問ユーザーのブラウザに渡される

【4】上記サイトA/Bの1st party cookieに加えて、DSP/SSPの3rd party cookieを結びつけることにより、個人名称は特定していないが複数のサイトを渡り歩いた1人のユーザーとして人格統合されていく

※ただ、ユーザーから見れば意図しないプライバシー漏洩につながる可能性があり、Internet Explorer/Chrome/Firefox等の主要ブラウザは3rd party cookieの利用を停止する方向で動いている

▼データセラーDMPで使われるオーディエンス拡張とは?
■CookieSyncによりインターネット上で1人のユーザーとして特定したユーザーに対し、類似するユーザーに範囲を拡大し、そのユーザーに対しても広告出稿などのマーケティング施策を行うこと

※データセラーDMPを採用した企業の4割近くが、「オーディエンス拡張」を利用するのみにとどまっている

▼プライベートDMPへのデータ統合方法とは?
【1】DMPのマスタテープルをが持つ「DMP ID」を呼び出しベースのIDとする
【2】「広告データ」「WEBログデータ」に関して、自社サイト内の1st party cookieを通じ、DMP IDとデータ統合する
【3】「CRMデータ」に関して、CRM内部で持つ顧客IDや独自IDとDMP IDを統合する
【4】その他にプライベートDMP内部で各種集めたデータを統合/名寄せする
【5】名寄せし取得されたデータはデータウェアハウス(DWH)等を用意し、ストレージ内部に保存
【6】DWHのデータに対し、例えばTableau等のBIツール等を用いてデータ分析をする

▼プライベートDMPを導入する際の順序は?
【1】シナリオ(コミュニケーションの流れ)を描く
└例えば「特定商品を購入した人に対して、レコメンド商品をサイトに表示してクロスセルする」など

【2】「広告データ」「WEBログデータ」「CRMデータ」を統合したマスタDBとなるDMPを構築する

【3】マスタDBとなるDMPに対して、必要なセグメントリストを構築する
└例えば「特定商品を購入したユーザーリスト」「特定ページを訪問したユーザーリスト」「年齢や性別など特定のデモグラ属性を持つユーザーリスト」など

【4】詳細な実行タスクに分解し開発する
└例えば特定商品を購入したユーザーリストに対して「類似商品をレコメンドする」というタスクに分解し、必要なプログラムを開発する

思ったこと

CRM等に含まれる顧客情報やリアルな購買データ、WEBサイトのCookieをベースとした行動データ等をすべて一つのプラットフォームに格納し、データプラットフォームとして運用されるDMPについて書かれた本でした。

WEBとデータベースという2つの技術が発展を続けて来た結果、企業は多くのデータを保有することができたにも関わらず、結局そのデータがばらばらに存在していたため、それらを統合するためにDMPという技術が生まれてきたことがよく理解できる内容でした。

ただ、DMP自体はデモグラ属性や行動ログなどいろんなデータを格納したただの大きな「箱」というか、簡単に言ってしまえばものすごくたくさんのエクセルの表でしかなく、それらをどのように使っていくかは、綿密な計画が必要なのだろうなと実感させられました。

まずは商品を購入した人、特定の地域に住む人、家族を持つ人、特定のページを見た人など「誰に対して」を決めてリストを作成し、その人に対してレコメンド商品を見せる、ステップメールを配信するなど「行うアクション」をきっちりと決める必要があるのだなと改めて勉強になる内容でした。

ありがとうございました!

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