進化するAIとその中での人の役割とは?

進化するAIとその中での人の役割とは?

本のまとめ

▼読んだ本は?

人間の未来 AIの未来 by 山中伸弥さん, 羽生善治さん
http://amzn.asia/1YG45Z9

▼iPS細胞とは?

■別名「人工多能性幹細胞」と呼ばれ、どんな細胞にも変化できる能力を持った細胞
■筋肉に分化した細胞に対して、4個の遺伝子を追加することにより細胞を未分化な初期状態に戻した細胞
■患者に移植する「再生医療」と、iPS細胞に病態を再現することにより薬治療のメカニズムを解き明かす「創薬」の主に2方面で活用
■2013年、横浜市立大学が、ヒトのiPS細胞から肝臓の原基(ミニ肝臓)の作成に成功

▼iPS細胞と似たES細胞とは?

■iPS細胞と同様に、どんな細胞にも変化できる能力を持った細胞
■ただ、受精卵を壊して取り出した胚盤胞から作られるため、倫理的な問題が存在

▼iPS細胞生成につながった過去の研究とは?

■過去の共有されている研究結果から、複数の遺伝子を細胞に追加すると、細胞が受精卵のように初期の状態に戻るのではないか?と考えたことがiPS細胞研究の始まり

・核移植技術によりオタマジャクシの腸細胞から、もう一度新しいオタマジャクシを生成
・ネズミの皮膚細胞に、ある遺伝子を一つだけ送り込むと、皮膚細胞が筋肉に変化
・目・神経・腸をもつプラナリアは体を半分に切っても2匹に再生
・イモリはしっぽを切っても骨まで再生

▼ゲノム解析の変遷は?

■過去には10年/何千万円かかった解析が、現在では10日くらい/百万円をきって解析可能
■ゲノム配列解読により「人の設計図」が分かってきたことにより、細かな個人差が体質差につながることが理解
■一人ひとりに合わせて病気のわかりやすさや薬の効きやすさを予測する「オーダーメイド医療」「精密医療」に展開

▼老衰と死は今後どうなる?

■老衰は間違いなく起こり、寿命は細胞の限界となる120歳程度と考えられる
■臓器は免疫抑制剤によって健康が損なわれる可能性もあるが、基本的には更新可能
■ただ、脳は更新が不可。認知症は、ある種死の恐怖に対する人間の防衛本能ともいえるのでは?
■今あるビッグデータから「この人なら、こういっただろう?」という推測に基づきその人間を再現した場合、その人は永遠に生きているともいえる?

▼囲碁/将棋界とAI(人工知能)の関係は?

■2016年ディプラーニングを利用したAlphaGo(アルファ碁)が世界トップクラスの囲碁棋士に圧勝
■将棋ソフトとしては「Bonanza(ボナンザ)」がオープンソース化され、それを基軸に進化中
■創造的な出来事の99.9%は「今までになかった、過去にあった出来事の組み合わせ」=「将棋に例えると過去にあった指し手の、今までになかった組み合わせ」であり、最近AIはこの今までになかった組み合わせの指し手を使うことが増加
■「Floodgate」というサイトでは、AI同士が24時間対局を行い、その中で今までにない棋譜が生み出されている

▼AIに人が対抗できる内容は?

■初音ミクをAIが生み出すことはできても、ふなっしーのようなデザインをAIが生み出すことは難しい。なぜならその背後には意外性を好む人の創造的志向があるから
■例えば、人工知能を体内に埋め込む形として、IQ150の人間がIQ500の知性を持った人間を理解できるようになるなど、対抗するのではなく人とAIを組み合わせていくことも可能性の一つ
■AI(ディープラーニング)は「入力データ」と「出力データ(結果)」は分かるが、その間に深く何層にも広がるプロセス自体は不明のため、そのプロセスが分からない状況を人が受け入れられない可能性も高い。そのため、人工知能自体はあくまでセカンドオピニオンにとどまり、最終の意思決定者は人である可能性も高い

▼山中さんが考える新しいものを生み出す3つのパターンとは?

【1】アインシュタインのように「元々天才」パターン。才能に基づき新しいものを生み出せる
【2】他の人も考えていることを自分でも実験してみて「予想とは違う結果が出てきた」パターン。予想外のその先を研究していくことで新しいものが生み出される
【3】「これができたらすばらしい」と誰もが考えているけれども、「無理だろう」とみんながあきらめているパターン。無理を実現すれば、それが新しいものになる

※iPS細胞の研究は「パターン【3】」。受精卵を使わずに大人の細胞を初期化できたら最高だが、誰もできないだろうと思っていたとのこと

▼日本とアメリカの思考方法の違いは?

■日本
└直線型思考の文化:目標を決めたら最後までやり通す思考法

■アメリカ
└回線型思考の文化:自分の興味に従って、ある意味フレキシブルに考えを変えて行く思考法

※日本は圧倒的に「直線型思考」の人が多いが、中山さん自身は研究方向性を変えるなど結構回り道を繰り返してきた

▼羽生さんが将棋をする時の思考の順番は?

■ただ数手先を読む場合でも「数の爆発」(指し手数が無限大に広がること)にぶつかるため、ほとんどが勘によるもの

【1】直感:ヤマ感のようなものではなく、経験や学習の集大成が瞬間的に現れたものに頼る
【2】読み:未来の手を10手先程度までシミューレーションし先読みする
【3】大局観:桂馬を動かすといった具体的な一手ではなく、最初から現在までを総括し、先の戦略を模索する

思ったこと

本の構成が山中さんと羽生さんの会話ベースになっており、1つのテーマのみ話すというより、山中さんからはiPS細胞やDNAといった生物学的な観点を基軸として、日本人の思考法や人の寿命、能力にまつわる話しを、羽生さんからはアルファ碁やボナンザなど囲碁・将棋においてAIが進化する中で人がどのように生きていくべきか?という話しを、それぞれの方々の深い洞察力を基軸に話されていく本でした。

うーんどうなるのかな?ぼくみたいなもんにはこの先の未来とかは全く見えないですが、この先の未来を自分が生きていく限りは「パターン化できるもの」じゃなくて、「人の好みや意外性に深く絡んでいて、あんまりロジカルじゃないもの」が価値につながっていくのかもしれません。

そうなった場合、自分が提供できるものは一体なんなのだろう?自分が何が好きで何が嫌いなのか?明確にわかっているようになりたいもんです。

ありがとうございました!

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