身近な人と貸し借りする小さな経済圏とは?

身近な人と貸し借りする小さな経済圏とは?

本のまとめ

▼読んだ本は?
■なめらかなお金がめぐる社会。 あるいは、なぜあなたは小さな経済圏で生きるべきなのか、ということ。
■家入一真さん
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▼クラウドファンディングの3つのタイプとは?
■購入型
└支援者がプロジェクトが実現した時にサービスや商品を受け取るタイプ
└新商品/イベント開催/店舗開業など
└クラウドファンディング市場全体の9%程度

■寄付型
└支援者への報酬はなくプロジェクトの支援金を寄付のようにあげるタイプ
└被災地支援/途上国支援など

■投資/融資型
└支援者が出資した金額に対し、プロジェクト成果に応じて利回りや物品をつけて返すタイプ
└「株式投資」と「株主優待」を小規模でやるイメージ
└クラウドファンディングで流れるお金の大半がこれ
└別名「ソーシャルレンディング」とも呼ばれる

▼小さな経済圏と贈与経済とは?
■個人や地域レベルで小さなつながりを持ち、支え合って成立するコミュニティや経済圏のこと
■「大きいことはいいことだ」ではなく「小さいことはいいことだ」という価値を実現する
■これまでのような「give&take(交換経済)」ではなく「give&give(贈与経済)」が成り立つ場所になる
■お金をもらうことを放棄するのではなく「いつ、どこでマネタイズするか?」の考え方そのものを変えることが大事
└その場でマネタイズしなくとも、巡り巡ってより大きなgiveに変わっていくから
▼小さな経済圏や贈与経済の具体例は?
■海士町
└Uターン/Iターン者が人工の10%を占める
└移住者は20~40代の働き盛りの人が多い
└「自分はどんな生き方をしたいか?」を考え抜いた人たち
└海産物をインターネットを使って全国に売ったりしている
└物の貸し借りや物々交換が頻繁に行われている
└確信を持ってのんびりと暮らしている人が多い

■Youtuber
└自分の言葉を使って、美味しくないものは美味しくないといえる人たち
└マスコミやメディアを介していないため、たとえ少数でも視聴者に対して正直で信用を勝ち得る

■カルマキッチン
└アメリカ西海岸で展開されるレストラン
└ボランティアにより運営
└食事を終えると「恩送り(pay it forward)」を求められる
└次の人のためにお金を払ってもいいし、お金を払わずそのまま帰ってもいい

■Liverty:青空学区
└無料プログラミング合宿
└完全無料だが、学んだ人はその知識を他の人に無償で分け与えるという「お願い」のうえに成り立つ
└「完全スパルタ合宿」「やめるのは許さない」と伝えた上で募集をかける

■アメリカのお祭り:バーニングマン
└ある男性が彼女に振られて、友達がなぐさめるために人型を作って砂漠の真ん中で燃やしたことから始まったお祭り
└Googleの創業者も初期の頃から参加している
└「与えることを喜び」「商業主義とは決別」など原則があり、開催中はお金を使ってはいけない
└開催期間中に食べ物がなくなっても、歩いていると誰かから食べ物がもらえたりする

▼「CAMPFIRE」とは?
■さまざまなクラウドファンディングサービスを提供
・STARTedサービス
└服/バッグ/アクセサリーのイラストを送って採用されると、CAMPFIREが工場で生産/出荷/販売を行う

・polcaサービス
└フレンドファンディング
└友達/同僚/サークル仲間などで誕生日プレゼントのカンパや記念品の購入、出産祝いを送るなどを一緒にできる
└ユーザーはクレジットカードを登録し、カンパしたい金額を決めるだけ

・CAMPFIREレンディングサービス
└過去のクラウドファンディング実施データを元に信用基準を定め、その後のプロジェクトの融資を行う

■目指すこと
【1】小さな経済圏を作り出すこと
【2】小さな経済圏の中で使える新しい貨幣を作り出すこと
【3】小さな経済圏の中で人が平等でいられること

■他のクラウドサービスとの違い
└クラウドファンディングによる手数料を業界水準の20%から「5%(現在は8%)」にはじめに下げた
└東京海上日動と組んで、リターンが仮に返ってこない自体になっても保険金が下りるクラウドファンディング保険を導入
└CAMPFIREトークンと呼ばれる支援額に応じてポイント(仮想通貨)がもらえる制度を導入
└貯まったポイントは他のプロジェクト支援に使える

▼資本主義と社会主義が目指したものは?
■資本主義
└機会の平等を目指す世界

■社会主義
└結果の平等を目指す世界

▼資本主義で行き過ぎたことは?
【1】「実需」より「投資目的」のお金が増えすぎた
【2】投資のお金が動くスピードが早くなりすぎた
【3】すべての資産の振れ幅(ボラティリティ)が大きくなりすぎた

※アメリカではリーマン・ショック後、デリバティブなどハイリスクな取引を制限する「ボルカー・ルール」が導入

▼お金を融資する時の法律の壁とは?
■人が個人的な目的で融資を受ける場合、借り手を保護するために個人情報を開示できない
└借り手がお金を返せなくなった時に、貸し手が強引な取り立てにいってしまうのを防ぐため

■法律の壁をこえる可能性がある社会的な融資の方法
【1】NPOバンク
└環境問題や社会問題に取り組むNPOが、その活動趣旨に賛同する市民から出資を募るもの

【2】ソーシャルインパクトボンド
└行政の代わりに民間が「若者の就労支援」「子供や家庭支援」を行うもの
└民間が行うことによりコストが削減されれば、その削減コスト分が民間団体にリターンとして支払われる

▼これからの資本主義に大事な「金融包摂」の考え方とは?
■社会包摂
└すべての人々が社会的に困難な状況を抱えていても、社会活動に参加できる世界を目指すこと

■金融包摂
└すべての人々が経済活動を行ったり経済的に不安定な状況を軽減するために、金融サービスにアクセスし利用できる世界を目指すこと

思ったこと

小さなコミュニティの中で、信用や評価をベースに物の貸し借りや交換を行うことで成り立つ世界を「小さな経済圏」と呼び、その小さな経済圏の中でなめらかにお金が流通することを実現させる「クラウドファンディング」の可能性がまとめられています。

本の中に社会主義や資本主義の比較の記載があるように、一見すると物々交換を通してみんなが平等に幸せに暮らせる世界って社会主義っぽいよねと勘違いされそうなところもありますが、お金をなくそうという話ではなく、逆により制限なく自由にお金が動いていく世界を作って行こうぜという強い意志が感じられるものでした。

信用経済や評価経済といった言葉が徐々に使われはじめているし、あんまりお金に対して価値を感じない若い人たちが増えたとはいえ、いまだお金パワーを痛感することも多いです。そんな世の中に流れるお金の大半が、お金がお金を生む投資や投機を目的としたもので、実際になにかものやサービスを生み出すことに使われるお金ってめちゃくちゃ少ないことを思うと、何だかわかんないけど、資本主義自体にも方向性を見誤っているところが出始めているんでしょうね。

自分自身もお金をもらえるとめちゃくちゃ嬉しい反面、お金だけで評価されるとなんか無償に虚しくなるこの矛盾した感じってなんなんだろうか?と思ったりもすることに対して、お金の価値を認めつつ、でも小さな経済圏の中で、信頼できる人たちの中で確実に幸せになろうぜって考え方は、なんかいいですね。

ありがとうございました!

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