人とのコミュニケーションを客観視し、円滑にしていく認知療法とは?

人とのコミュニケーションを客観視し、円滑にしていく認知療法とは?

会社でも、家庭でも、友達と会うときでも、どんなコミュニティに属すときでも、必ず発生するコミュニケーション。そんなコミュニケーションには、その人なりの、ものの見方や考え方である「認知」が大きく影響を与えること。

例えば、必要以上に楽観的に世界や自分を認知していれば、リスクに対する対処が甘くなること。反対に、必要以上に悲観的に世界や自分を認知していれば、自分の行動に制限ばかりをかけてしまうこと。

どちらの認知の仕方がいいというものじゃなく、認知に偏りがですぎれば自分自身や周りの人を追い込むことになってしまうからこそ、現実を客観的に捉えるための認知療法が有効なこと。

そして、認知療法では、何かしら感情の動きがあったときに、一番はじめに反射のように考えてしまう「自動思考」を言語化することからはじまることが描かれています。

ありがとうございました!

本のまとめ

▼読んだ本は?

■はじめての認知療法
■大野裕 (著)

▼認知療法・認知行動療法ってなに?

■うつ病や不安障害など、精神疾患の治療法(カウンセリング)の一つ
■その後、パニック障害、PTSD、摂食障害、パーソナリティ障害などの治療にも拡大
■さらに、日常生活でのストレスを和らげることにも効果的
■今では、ビジネスのセルフコーチングや、教育現場の生徒指導でも使われる
■その人なりの「認知」を見直していくことで、「現実」への反応の仕方を変えていくこと

▼認知ってなに?

■「認知」とは、その人なりの「ものの受け取り方や考え方」のこと
■人は、現実を客観的に見るより、自分なりの思い込みで見ることが多い
■自分なりの解釈が強すぎると、現実とのズレが大きくなる
■現実と思い込みのズレが大きくなりすぎると、考える前にあきらめてしまったり、すぐ悲観的になってしまいがち
■そんなときにもう一度、可能な範囲で、客観的に現実を見るのが「認知療法」「認知行動療法」
■認知には「自動思考」と「スキーマ」の2種類がある

▼よくある認知の偏り方は?

■思い込み・決めつけ
└根拠がなくても、自分の考えが正しいと勘違いしてしまう傾向
└自分に関心のあることは大きく考え、予想に合わないことは小さく考えがち
└「私はいつも、失敗してばかりだ」と決めつけてしまうなど

■白黒思考
└ものごとをすべて、曖昧な形じゃなく、良いか悪いかで極端に考える傾向
└小さなミスを指摘されたときに「やはり自分は仕事ができない」と考えてしまうなど

■べき思考
└「こうすべきだ」とあれこれ思い悩む傾向
└仕事でミスがでると「もっと準備すべきだった」と考えてしまうなど

■自己批判
└良くないことが起こると、なんでも自分が原因だと考え、自分を責めてしまう傾向
└みんなで取り組んできたプロジェクトが失敗した時「自分が悪かったんだ」と考えてしまうなど

■深読み
└相手の気持ちを一方的に推測して、決めつけてしまう傾向
└友達と話していて、テーブルの上の携帯電話に目がいくと「自分との話に飽きたんだ」と考えてしまうなど

■先読み
└悲観的な予想を立ててしまい、行動を制限してしまう傾向
└プレゼンテーションの前に「緊張してうまく話せないかもしれない」と予測してしまうなど

▼自動思考ってなに?

【1】人は、気持ちが動揺したときに、落ち込んだり不安になったり、腹が立ったりする
【2】同じ「事実」でも、人やその時の気持ちによって、違った形で解釈される
【3】それは客観的な「事実」と、自分なりに解釈した「事実」が違うから
【4】「自動思考」とは、ある体験をした時に、頭の中に自然かつ瞬間的に浮かぶ考えやイメージのこと
【5】つらい気持ちになったときや、動揺したときに「どのような考えが頭に浮かんだか?」を繰り返し考えることが大事

▼自動思考の例は?

■例えば、親しい友だちからメールの返信がなかった時
【1】「あの人は怒ってるんだ」と自動思考すると、不安になる
【2】「あの人に嫌われたんだ」と自動思考すると、悲しくなる
【3】「あの人はひどい」と自動思考すると、腹が立つ

▼スキーマってなに?

■「スキーマ」とは、自動思考の基礎になっている、その人なりの心のくせのこと
■自動思考のような瞬間的なイメージじゃなく、その人の基本的な人生観や人間観
■前向きのスキーマと、後ろ向きのスキーマがあり、スキーマ自体が悪いものじゃない
■生まれながらの素質、環境の要因を受けながら、体験を通して形作られてきた個人的な確信
■この「スキーマ」が、その時々の「自動思考」に影響を与える
■例えば「世の中の人はみんな優しい」と信じている人は、他の人の否定的な反応を肯定的に解釈しがち

▼後ろ向きスキーマの具体例は?

■「弱さ」のスキーマ
└「自分は弱い」「人に助けを求めるのは弱い人間だ」などと考えてしまうこと

■「完全主義」のスキーマ
└「成功しなければ人生は無駄だ」などと考えてしまうこと

■「社会的不承認」のスキーマ
└「他の人から認められないと、幸せになれない」などと考えてしまうこと

■「命令型の確信」のスキーマ
└「いつも幸せでないといけない」などと考えてしまうこと

■「自律的な態度」のスキーマ
└「自分の考えは、他の何よりも大切なんだ」などと考えてしまうこと

■「認知」のスキーマ
└「周りの人から傷つけられやすい」などと考えてしまうこと

▼認知再構成法とは?

【1】ある出来事が起きた「状況」を書き出す
└「どこで起こったか?」「だれがいたか?」「どんな順序か?」などを書き出す

【2】そのときに感じた、「気分」を書き出す
└「憂鬱」「悲しい」「怖い」「恥ずかしい」など一言で表せる形で書き出す

【3】そのときに瞬間的に考えた「自動思考」と「実際の行動」を書き出す
└「私は、いつも失敗ばかりだ」「上司は、自分のことを嫌いにちがいない」など、考えたことを主語を含めて、書き出す
└また、具体的な行動があれば、それも書き出す

【4】自動思考の「根拠」と「反証」を書き出す
└自動思考の裏付けになるような「根拠となる理由」を書き出す
└自動思考と矛盾するような「反対になる理由」を書き出す

【5】自動思考に変わる、適応的な思考を書き出す
└まず書き出した「根拠」と「反証」を「根拠という事実もあるけど、反証という事実もある」と並べてみる
└その上で「冷静になり」「視点を変え」「これまでの経験を踏まえ」て、新しい思考を考えてみる

▼距離の関係と力の関係って?

■距離の関係
└相手の人との、距離のとり方のこと
└例えば、人と話す時に笑顔で接すると、相手も笑顔になる
└反対に、引いたような態度を取ると、相手も引いた態度になる
└相手から、自分と同じような反応を引き出す方法

■力の関係
└自分が弱気になると、相手が強く出てくるという法則
└例えば、学校や職場などで、1人が強く出ると、相手の人は弱い態度を見せる
└相手から、自分と反対の反応を引き出す方法

▼コミュニケーションを円滑にするアサーションのやり方は?

■アサーションとは、自分の気持ちや考えを、相手のことを思いつつ、上手に伝えるための主張訓練のこと
【1】あなたが見た「客観的事実・状況」を伝える
【2】あなたがその時に感じた「自分の気持ち」を伝える
【3】解決するための「提案」を伝える
【4】提案が否定された場合の「代案」を伝える

■具体例
【1】あなたも疲れているけれども(客観的事実・状況)
【2】私の話しを聞いてほしいと思っている(自分の気持ち)
【3】聞いてもらえるだけで、気持ちが楽になるから、お願いできないかな?(提案)
【4】もし今疲れていたら、いつがいいか、教えてほしい(代案)

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